プラセンタとは?含まれている成分や期待できる効果・副作用など基本から詳しく解説

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プラセンタは「胎盤」を指しています。赤ちゃんを守り、育てている胎盤には、成長因子をはじめとする豊富な栄養素が含まれています。

なんとなく「美容によいもの」と知っている方は多いと思いますが、実際にどのような成分が含まれていて、どのような効果があるのか詳しくご存じでしょうか?

本記事では、プラセンタの概要と歴史、種類、成分、効果、副作用まで、プラセンタの基本を詳しく解説します。プラセンタに興味がある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

プラセンタとは

プラセンタとは「胎盤」のことです。胎盤は、妊娠中にお腹で赤ちゃんを守るために作られる女性特有の器官で、赤ちゃんの生命維持と成長に重要な役割を担っています。

赤ちゃんを守り、育てている胎盤には、「成長因子」やアミノ酸・たんぱく質・糖質・核酸・ビタミン類・ペプチドなどの栄養成分が豊富に含まれています。ごく小さな受精卵を、人間であれば10ヵ月で3kgほどの大きさに、馬であれば12ヵ月で50~60kgもの大きさの赤ちゃんに育て上げられるのは、胎盤に豊富な栄養素が含まれているからでしょう。

プラセンタに含まれている豊かな成分が注目され、美容分野でも活用されるようになりました。

プラセンタの歴史

プラセンタは「新しいもの」と思われがちですが、実は歴史が古いものです。紀元前4世紀のギリシャでは、ヒポクラテスによってプラセンタが治療に用いられていたのだそう。中世ヨーロッパでは、不妊症や脳梗塞の治療薬としても使用されていました。

「若返り」の効果も古くから認められています。絶世の美女と謳われていた古代エジプトのクレオパトラや中国の楊貴妃、フランスのマリーアントワネットもプラセンタを用いていたそうです。中国では、漢方薬「紫河車(しかしゃ)」として古くから用いられています。

いまでこそ「プラセンタは美容によい」というイメージが定着していますが、実は古代から「病気の治療」「滋養強壮」「若返り」の効果に注目されていたのです。

プラセンタの種類

美容や医療分野で活用されているプラセンタは、人間やブタ、ウマ、ヒツジの胎盤から抽出された「プラセンタエキス」を使用しています。成長因子や豊富な栄養成分が含まれている点では同じですが、それぞれ少しずつ特徴が異なります。

また、動物のほかにも「植物性プラセンタ」「海洋性プラセンタ」なども化粧品に活用されている成分です。それぞれどのような違いがあるのか、詳しくみていきましょう。

動物性プラセンタ

化粧品や健康食品に用いられているプラセンタのなかでも、メジャーなものが「動物性プラセンタ」です。胎盤はイヌ・ネコ・ウシなど、多くの哺乳類にできる器官です。しかし、現在は、ブタ・ウマ・ヒツジ・人間の胎盤のみが使用されています。

①ブタ由来プラセンタ

動物性プラセンタのなかでも、もっとも多く使用されているのがブタ由来プラセンタです。ブタは年2回出産をし、一度の出産で10頭前後の子どもを産む多胎のため、大量に胎盤を採取できます。安定して供給できることから、プラセンタのなかでも比較的安価で流通しているのも特徴です。

ブタ由来プラセンタの品質を見極める指標として、「SPF豚」があります。動物由来のプラセンタの品質を決めるのは、使用している動物が「どれだけよい環境で育てられたか」です。SPF豚は「特定の病気が存在しない豚」のみが認定されます。日本SPF豚協会が定めた基準に基づいて育てられているため、高い品質のプラセンタが採取できます

②ウマ由来プラセンタ

ブタ由来プラセンタに次いで使用されているのが、ウマ由来プラセンタです。ウマ由来プラセンタは、ブタやヒツジ由来のプラセンタに比べて「アミノ酸」が豊富に含まれています。

また、ウマ由来プラセンタは、高品質なものが多いのも特徴です。ブタと比べて体温が高いため、寄生虫がすみにくく、伝染病にかかるリスクが抑えられます。また、サラブレッドのプラセンタエキスを使用しているケースが多いのも、高品質といわれる所以でしょう。

注意点は、「ウマ由来プラセンタを使用」と表記していても、微量しか配合されていないケースが稀にあることです。ウマ由来プラセンタを使用している製品を選ぶときは、成分表示表をチェックして、頭から何番目にプラセンタが並んでいるか確認しましょう。

③ヒツジ由来プラセンタ

ヒツジ由来プラセンタは、ヨーロッパで人気のプラセンタです。ヒツジ由来プラセンタは、ヒト由来の胎盤とアミノ酸組織が似ているため、人体になじみやすい点が特徴です。

しかし、狂牛病の問題が取り沙汰されて以降、日本ではあまり流通していません。ヒツジ由来プラセンタを使用する場合は、オーストラリアやニュージーランド産のものが安全性が高いとされています。

④ヒト由来プラセンタ

ヒト由来プラセンタは、人間の胎盤から抽出されたエキスを使用したプラセンタです。人由来のため、人体になじみやすく、安全性が高いと認められています。

ヒト由来プラセンタは厚生労働省より認可を受けており、医療機関のみでしか取り扱っていません。更年期障害や肝機能障害の治療、またエイジングケアとして美容医療分野でも活用されています。

植物性プラセンタ

植物性プラセンタは、植物の「胎座」と呼ばれる部分から抽出されています。わかりやすいのが、果物のメロンです。メロンの種の周りの部分が、胎座にあたります。

胎座は植物の種子を発芽させるためのエネルギー(アミノ酸・ビタミン・ミネラルなど)が含まれていますが、胎盤のような「成長因子」は含んでいません。感染病などの心配がない点はメリットですが、動物由来のプラセンタとは別のものとして上手く美容に取り入れるのがよいでしょう。

海洋性プラセンタ

魚は卵から生まれるため、基本的には胎盤は存在しません。海洋性プラセンタとは、魚の卵を包んでいる「卵巣膜」から抽出したものです。いわゆる筋子の薄皮部分が卵巣膜です。

卵を育てるためのエネルギー(アミノ酸・コラーゲン・ヒアルロン酸)などの成分が含まれていますが、植物性プラセンタ同様「成長因子」は含まれていません。

プラセンタに含まれている成分と働き

プラセンタは、さまざまな成分が含まれています。具体的に、どの成分がどのような働きをしているのかみていきましょう。

成長因子

成長因子とは、細胞の増殖・分化・修復・再生を促進する内因性タンパク質の一種です。「グロースファクター」や「細胞再生因子」とも呼ばれています。

成長因子には、以下の種類があります。

 

  • EFG(上皮細胞増殖因子):ターンオーバーを促進する
  • FGF(線維芽細胞増殖因子):線維芽細胞を増殖する
  • IGF(インシュリン様増殖因子):新しい細胞を生み出す・細胞を修復する
  • TGF(トランスフォーミング増殖因子):コラーゲンやエラスチンの構造を強化する

 

成長因子は生きていくうえで欠かせないものですが、20代後半から急激に減少します。

アミノ酸

プラセンタにもっとも豊富に含まれているのが、アミノ酸です。じつに20種類のアミノ酸が含まれているといわれています。プラセンタに含まれているアミノ酸は、体内への吸収率が高いという優れた性質をもっています。

アミノ酸は、コラーゲンの原料になったり、基礎代謝を高めたりと、ハツラツと過ごすうえで欠かせない成分です。

各種ビタミン

プラセンタには、美肌成分のビタミンCのほか、ビタミンB1・B2・B6・B12、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシンなどが含まれています。身体のさまざまな生理機能を調節し、生活習慣病を予防する働きがあります。ビタミンは体内で作ることができないため、適度な摂取が必要です。

各種ミネラル

カルシウム・ナトリウム・鉄・亜鉛・カリウムなどのミネラルも、プラセンタには豊富に含まれています。ミネラルは5大栄養素のひとつとされており、身体のさまざまな機能を維持・調整する働きがあります。

核酸

核酸はアンチエイジングにおいて大きな働きをする栄養素です。遺伝子の修復や細胞分裂を促し、新陳代謝を高める働きがあります。体内でつくられる成分ですが、40歳を過ぎると急激に減少します。

酵素

酵素とは、わたしたちが生きてくうえで欠かせない必須タンパク質のこと。食べものを消化する「消化酵素」と、新陳代謝を助ける「代謝酵素」があります。生活習慣病や免疫力の維持に欠かせない酵素ですが、年齢とともに体内で分泌される量は減少します。

活性ペプチド

活性ペプチドは、アミノ酸とたんぱく質の中間のような性質をもつ成分です。身体を活性化させたり、皮膚や髪の毛、筋肉を作ったり、免疫力の調整をしたりする働きがあります。

プラセンタに期待できる効果

ひとつずつの成分の働きはわかりましたが、実際にプラセンタを摂取することで身体にどのような影響があるのでしょうか。もっとも期待されている効果が「若返り」つまりアンチエイジングでしょう。

では、どのような効果が若返りと関係しているのでしょうか。プラセンタに期待できる効果を大きく3つにわけて解説します。

美肌効果

肌のハリや弾力を作るコラーゲンやエラスチンは「線維芽細胞」によって作られています。しかし、線維芽細胞は年齢を重ねるたびに減少してしまいます。そこで、プラセンタに含まれている「成長因子」の出番です。

成長因子は線維芽細胞を活性化させる働きがあるため、肌を土台から整えます。ターンオーバーを促す働きにより、シミやくすみの改善効果も期待できるでしょう。

抗酸化作用が身体のサビを防ぐ

プラセンタには「抗酸化作用」があります。抗酸化作用とは、身体のサビのもととなる「活性酸素」を除去する働きのこと。活性酸素は身体を守る大切なものですが、過剰に生成されると細胞を傷つけて、老化や体調不良を引き起こします。

プラセンタは活性酸素を除去する働きがあるため、体内の老化を防ぎ、ハツラツとした毎日をサポートしてくれます。

免疫力を高めて疲労を回復する

病気や体調不良、過度な疲労は、免疫力の低下が原因です。加齢とともに免疫力は低下して、疲労物質が溜まりやすくなります。プラセンタは細胞を活性化させるため、免疫力を高めてすこやかで疲れにくい身体をつくる効果が期待できるのです。

また、疲労物質を排出しやすい身体に整えて、肩こりや腰などの改善効果も期待できます。女性のイメージが強いプラセンタですが、疲労回復効果があるとして男性にも注目されています。

ホルモンバランスを整えて自律神経を安定させる

ホルモンバランスを整える効果があるのも、プラセンタの特徴です。ホルモンバランスの乱れは、身体の不調や老化のみならず、自律神経を乱れさせて心を不安定にさせます。プラセンタはホルモンを調整する働きがあるため、自律神経の働きを正常にし、体調不良を改善します。

この働きを応用したものが、更年期障害の治療です。もちろん、PMS(月経前症候群)によるイライラ、ニキビの悪化、また、生理不順などにも効果が期待できます。

プラセンタを取り入れる方法

プラセンタの魅力は伝わったでしょうか。では、実際にプラセンタを取り入れる方法には、どのようなものがあるのでしょう?クリニックでおこなうプラセンタ療法と、自宅でできるプラセンタケアにわけて解説します。

クリニックでのプラセンタ療法

美容クリニックや皮膚科などでは、おもに「プラセンタ注射」と「内服薬」でのプラセンタ療法が用いられています。

プラセンタ注射

プラセンタ注射は、プラセンタに含まれている成長因子や栄養素を直接体内に注入する施術です。用いられているプラセンタには「メルスモン」と「ラエンネック」の2種類がありますが、美容効果を目的とした皮下注射の場合は、どちらもほとんど同じ効果を得られます。

プラセンタ注射は効果の即効性があり、安全性が高く、副作用がでにくい点がメリットです。しかし、持続期間は2日~1週間ほどといわれているため、継続しておこなう必要があります。

なお、プラセンタ注射を打つと献血ができません。あらかじめ、留意しておきましょう。

プラセンタ内服薬

プラセンタ内服薬は、名前のとおりプラセンタを含有した薬を服用する美容治療です。サプリメントとの違いは、「ヒト由来プラセンタ」を使用している点です。ヒト由来プラセンタは医療機関でしか取り扱いがないため、ヒト由来プラセンタを服用したい方は、クリニックを受診する必要があります。

薬を処方してもらえば、頻繁に通う必要がない点がプラセンタ内服薬のメリットです。注射のような痛みをともなわないため、痛みが苦手な方に向いてます。注射に比べて即効性は劣りますが、継続して身体のメンテナンスをおこないたい方に適した治療法です。

自宅でのセルフプラセンタケア

自宅でプラセンタケアをおこなう方法は「プラセンタサプリ」摂取と、「プラセンタ美容液(化粧品)」使用の2つです。

プラセンタサプリ

プラセンタサプリは、ブタ由来プラセンタやウマ由来プラセンタのエキスを配合したサプリメントを飲んで、内側からケアする方法です。ネットやドラッグストアで手軽に購入できる、また、リーズナブルにケアをおこなえる点がメリットです。

ただし、プラセンタの配合量が少ないと効果を十分に感じられないケースもあります。プラセンタサプリは製品も豊富なため、しっかり「良質なサプリ」を見極めることが大切です。

プラセンタ美容液

プラセンタ美容液とは、プラセンタエキスが配合された美容液のこと。プラセンタをスキンケアに取り入れて、肌をケアします。肌にハリをもたらす、ターンオーバーをサポートして透明感のある肌に導く、など、プラセンタがもつ美肌効果を感じられるでしょう。

注意したいのは、プラセンタサプリ同様、選び方を誤ると効果が得られないことです。プラセンタ美容液はピンからキリまで。価格と「プラセンタ」の売り文句だけに注目していると、プラセンタ配合量が少ない美容液を選んでしまう可能性があります。

配合量や成分、製造元などを確認して、ベストな選択をしてください

プラセンタの副作用

ここまでプラセンタのよいところを紹介してきましたが、気になるのがプラセンタの危険性です。副作用がないか、不安に思っている方もいるでしょう。結論、プラセンタによって起こる副作用はほとんどなく、安全性の高い成分といえます。

「プラセンタが危険」といわれているのは、ひと昔前に「狂牛病(BSE)」の危険性が囁かれたからでしょう。現在、日本国内での牛プラセンタの製造・販売はないため、安心して使用できます。

ただし、プラセンタ注射を1回でも打った経験のある方は、献血をおこなうことができません。ヒト由来の成分を使用しており、ウイルスの感染を完全に否定できないためです。また、稀にアレルギー反応がある点も留意しておきましょう。

プラセンタはアンチエイジングに最適な成分

プラセンタは若返りをはじめとする、さまざまな効果が期待できる成分です。副作用がでる可能性も低く、安心して使用できるでしょう。

毎日継続してプラセンタを取り入れたい方は、内服薬やサプリメント、美容液を活用したケアがおすすめです。サプリメントや美容液はドラッグストアでも取り扱いがあるため、始めやすいでしょう。

商品を選ぶときは、原料が何か、製造過程がしっかりしているかをきちんと把握することが大切です。上手に取り入れて、若々しくハリのある身体を目指しましょう。