オートファジーダイエットとは?やり方や危険性、嘘といわれる理由も解説

PRあり

好きなものを我慢せず食べながら痩せられると話題の、オートファジーダイエット。

科学的根拠に基づいたダイエット方法として広がる一方で、研究者や専門家の間では「痩せない」という意見もあります。インターネットやSNSでは賛否両論のダイエット方法なので、どの情報を信じればいいのか分からなくなってしまいますよね。

そこで本記事では、オートファジーダイエットについて解説します。オートファジーの働きによって除脂肪できるメカニズムや、適切なやり方、危険性、痩せないといわれる理由についても徹底解説していくので、健康的にダイエットしたい方はぜひ参考にしてみてください。

オートファジーダイエットとは?

オートファジーダイエットとは、一定の絶食時間を設けることで飢餓状態を作り、オートファジーを活性化させることで脂肪減少を促すダイエットのこと。

一般的に知られているオートファジーダイエットは、16時間の絶食時間をつくる「16時間断食(ファスティング)」。1日24時間のうち16時間絶食すれば、残り8時間は何を食べてもいいというダイエット法なので、好きなものを我慢せずに痩せられる方法として注目を集めています。

では、どうしてオートファジーを活性化することでダイエットできるのでしょうか?

オートファジーによって脂肪組織の減少が期待できる

オートファジーを活性化させることで、脂肪組織の減少が期待できます。

絶食によってエネルギーが枯渇すると、オートファジーが脂肪分解に働き、エネルギー源としてケトン体の産生を促すのです。脂肪がエネルギーとして使われやすくなるため、オートファジーの働きを応用することで効率よく脂肪を減らす効果が期待できます。

また、オートファジーは絶食時間を設けるダイエット法なので、1日のなかで食事をしてもいい時間は限られています。短時間でたくさん食べるのは難しいので、結果としてカロリー制限をしているのと同じ状況になり、総摂取カロリーの減少によるダイエット効果も期待できるでしょう。

さらに、あえて食べない時間を長く摂ることで、胃腸を休ませることで消化機能の回復を促します。腸内環境が整える効果も期待できるため、老廃物が排出されて、身体がすっきりした印象になるのもオートファジーダイエットの魅力です。

飢餓状態になるとオートファジーが活性化する

オートファジーは、飢餓状態になると活性化することが分かっています。

これは、食べ物がない状態に陥ったときでも生き延びるために、栄養源を確保する機構だと考えられています。つまり、あえて絶食時間を設けることで飢餓状態を作れば、意図的にオートファジーを活性化できるのです。

ただし、オートファジーは「16時間断食(ファスティング)」しないと働かないわけではありません。基底オートファジーといって、飢餓状態ではなくとも日常的に細胞内の代謝を行っています。

そのため、いきなり長時間の断食を行わなくてもOK。まずは「寝る直前に食べない」「間食しない」などを意識しながら、少しずつ絶食時間を伸ばして、無理なくオートファジーの活性化を促進しましょう。

オートファジーダイエットのやり方

オートファジーダイエットの具体的なやり方を解説します。やり方を間違えるとダイエットに失敗したり、リバウンドしたりすることもあるため、適切な方法を身につけましょう。

お腹を空いてから食べる

まずは、空腹感を感じてから食べることを心がけてください。

オートファジーは、飢餓状態のときに活性化します。いきなり長時間の断食をするのはストレスになってしまうので、まずはお腹が鳴るくらいの空腹を感じたら食べることから始めましょう。

食べ過ぎや間食が日常になっていて空腹感を感じない毎日では、オートファジーの働きが衰えてしまいます。日頃から暴飲暴食や間食はできるだけ控え、もし食べすぎてしまったときにはお腹が空くまで食事を抜いてみてください。

栄養バランスのよい食事を摂る

オートファジーダイエット中も、栄養バランスのよい食事を摂るようにしてください。

タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル・食物繊維など、さまざまな食材をバランスよく摂るのがポイントです。

オートファジーダイエットは、限られた時間内なら「好きなものを我慢せず食べてもいい」という情報が広がっています。しかし実際のところ、限られた時間の食事でも食べすぎてカロリー過多になれば太ってしまうのです。

さらに、脂っこい食事はオートファジーの働きを阻害する因子「ルビコン」を増加させることが分かっています。オートファジーを活性化するためには、こってりとした高脂肪食を控えることも大切です。

また、早く痩せたいからといって食事制限しすぎると、ストレスや反動で食べすぎてリバウンドすることも考えられます。オートファジーダイエットを終えても続けられるような、健康的でバランスのよい食事内容を心がけましょう。

適度に運動をすることも大切

オートファジーダイエット中は、適度な運動も取り入れましょう。

さまざまな研究から、運動はオートファジーの活性化を促進することが示唆されています。散歩や体操など、軽めの運動でもオートファジー活性化を促進すると考えられるので、無理なく続けられる運動習慣を取り入れてみてください。

また、長時間の断食を続けていると、身体はエネルギーを得るために筋肉を分解してしまいます。筋肉量が減ると基礎代謝が下がって痩せにくくなってしまうため、健康的な身体を保つためにも運動を習慣化することが大切です。

オートファジーダイエットの危険性

オートファジーダイエットは食事制限がゆるく、ストレスを感じにくいダイエット方法として注目を集めています。しかし、オートファジーダイエットのやり方を間違えると、リバウンドや生活習慣病を招くリスクがあるのです。

筋肉量が減少して代謝が下がる

長時間の絶食を続けると、体脂肪と一緒に筋肉まで減少してしまいます。

筋肉量が減少すると基礎代謝が減り、痩せにくい身体になってしまうので注意が必要です。

筋肉は基礎代謝を上げて痩せやすい身体を作り、体型を引き締まった印象に仕上げてくれます。さらに、QOL(Quality Of Life:生活の質)向上や将来の健康維持のためにも、筋肉量の維持は非常に重要な課題です。

オートファジーダイエット中は、筋肉の分解をできるだけ少なくするためにタンパク質を積極的に食べましょう。さらに空腹時を避けて適度な運動も行い、筋肉を維持しながら体脂肪を落とせるように工夫してみてください。

血糖スパイクが起こりやすくなる

長時間の絶食後、すぐに糖質が多いものを摂ると血糖値が急上昇しやすくなります。

食後すぐに高血糖になってしまうことを「血糖スパイク」といい、「血糖スパイク」が起こると脂肪の合成が促進されて太りやすくなります。

さらに「血糖スパイク」は、自律神経の不調による食欲の乱れや精神の不調にもつながります。「血糖スパイク」を何度も繰り返すと血管の壁が傷つき、心血管疾患や二型糖尿病、癌、認知症などのリスクを高めるため、大変危険です。

オートファジーダイエット中は、血糖値がゆるやかに上がるような食べ方を工夫しましょう。絶食明けの食事は、食物繊維やタンパク質が豊富な食材から食べて、血糖値の急上昇を抑えましょう。

オートファジーダイエットは嘘?痩せない?

オートファジーダイエットについて、医師や専門家の意見は賛否両論です。SNS投稿などを見ても「嘘」「痩せない」などの意見が見られますが、実際のところ、オートファジーダイエットは本当にダイエット効果が期待できるのでしょうか。

オートファジーダイエットによる減量効果は期待できる

オートファジーダイエットは、適切に行えばダイエット効果が期待できるでしょう。

絶食時間を設けて飢餓状態を作ることで、オートファジーが活性化し、脂肪分解を促進してケトン体代謝を促す効果が期待できます。栄養バランスのよい食事内容で、カロリーを抑えながらエネルギーを確保し、血糖値が上がらないように工夫して食べれば痩せやすくなるはずです。

さらに、適度な運動と十分なタンパク質の摂取を行えば、筋肉の分解も最小限に抑えられます。ストレスケアや質のよい睡眠で心身の状態を整え、理想の体型になったあとも健康管理を続けるなら、ダイエット終了後もリバウンドせずに維持しやすくなります。

カロリー過多になれば太る可能性がある

オートファジーダイエットは「絶食時間以外は好きなものを食べていい」といわれていますが、いくら断食でオートファジーを活性化させても、総摂取カロリーをオーバーすれば太ります。

長時間の絶食に耐えても、残りの時間で脂っこいものや甘いもの、アルコールなどを暴飲暴食すれば太るということです。

海外の研究では、16時間ダイエットのような時間制限ダイエットと、カロリー制限ダイエットの結果に有意差はないという結果が報告されています。つまりダイエットという観点では、1日の総摂取カロリーを1日3食に分けるか、1日1〜2食でまとめて食べるかの違いだけだと考えられるのです。

ただし、オートファジーは単なるダイエット法ではありません。オートファジーの活性化による健康効果・美容効果も期待できるため、無理のない範囲で生活習慣を改善して、オートファジーの活性化を図ることは無駄ではないといえるでしょう。

オートファジーを応用したダイエットで健康美を目指そう

オートファジーダイエットとは、オートファジーの働きを応用したダイエット方法のこと。

オートファジーは飢餓状態で活性化し、エネルギーが枯渇すると脂肪を分解してケトン体産生を促進することが分かっています。一定の空腹時間を作ることで脂肪をエネルギーに変え、効率よく痩せる効果が期待できるでしょう。

ただし、オートファジーダイエットによる筋肉量の減少や血糖スパイク、リバウンドなども懸念されています。ダイエットを成功させるためには、適切なやり方をしっかりと守ることが大切です。

正しい知識を取り入れて適切にオートファジーダイエットを行い、健康的で美しい体型を目指しましょう。