オートファジーとは?細胞分解の仕組みや活性化で期待できる効果を簡単に解説

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16時間ファスティングや8時間ダイエットなど、新しいダイエット法として注目されているオートファジー。

では、そもそもオートファジーとはどのようなものなのでしょうか?

本記事では「オートファジーとは?」という疑問について、簡単かつわかりやすく解説します。断食以外でオートファジーを活性化させる方法についても解説するので、健康と美容のためにも最後までチェックしてみてください。

オートファジーとは?簡単に解説

オートファジーとは、細胞レベルで健康を保つために備わった、重要な身体の働きです。オートファジーダイエットが流行っていますが、実は単なるダイエット法ではありません。

オートファジーとは細胞を分解する仕組み

オートファジーとは、細胞が健康を保つために、自己細胞を分解する機能のこと。

オートファジーは自己細胞内のタンパク質や細胞小器官を分解し、分解されたパーツを再利用して、新しい細胞に作り変えます。オートファジーが起こることで細胞は常に新しく、健康な状態を保っているのです。

オートファジーは、細胞内にあるものをほぼランダムに分解しています。しかし細胞内に有害物質が生じたときは、選択的に攻撃して有害物質を除去することも分かってきました。

オートファジーは発がんや生活習慣病、感染症などさまざまな病気が発症するのを抑止しています。細胞の老化を遅らせる働きがあることも解明されており、健康を保つために非常に重要な機能です。

オートファジーとは単なるダイエット方法ではない

多くの人はオートファジーを新しいダイエット法だと勘違いしていますが、単なるダイエット法ではありません。

オートファジーとは、細胞が健康を保つための仕組みです。

いわゆる「オートファジーダイエット」とは、オートファジーの機能を応用したダイエット法のこと。オートファジーは飢餓状態で活性化するので、空腹時間をつくることで内臓機能の向上や代謝改善によるダイエット効果は期待できますが、単なるダイエット法ではないことを認識しておきましょう。

オートファジーが衰えると老化する

私達が加齢によって老化するのは、オートファジーの衰えが1つの要因です。オートファジーの働きが低下することで、老化や加齢性の病気が起こりやすくなります。

オートファジーは加齢によって衰える

オートファジーの働きは、加齢に伴い衰えることが分かっています。

なぜなら、加齢に伴ってオートファジーを抑制する因子「ルビコン」が増加するからです。逆に「ルビコン」を抑制したマウスの実験では、オートファジーが活性化して、老化の抑制や寿命の延長が起こることが明らかになっています。

オートファジーは高脂肪食によって衰える

オートファジーを抑制する因子「ルビコン」は、高脂肪食によって増加することが分かっています。

高脂肪食とは、脂っこい食べ物のこと。

脂っこい食べ物を日常的に食べていると「ルビコン」が増加し、オートファジーの働きが低下します。つまり日頃の食生活によってオートファジーの低下を招き、老化や加齢に伴う病気、寿命の短縮を自ら引き起こしてしまうのです。

脂肪肝の研究では、肝細胞のルビコンが増加すると肝細胞のオートファジーが抑制され、脂肪肝が悪化することが解明されました。お酒を飲まない人でも非アルコール性脂肪肝炎になるケースが増えており、高脂肪食を摂り続けることで重症化して肝硬変、肝臓がんへと進行する可能性が示唆されています。

オートファジーの活性化で期待できる効果

オートファジーの活性化によって期待できるのは、ダイエット効果だけではありません。細胞の新陳代謝が起こることで、健康や美容に嬉しい影響が期待できます。

新陳代謝を高めて健康的な状態を保つ

オートファジーを活性化させることで、細胞内の新陳代謝が高まります。

人間は、食事からタンパク質を1日あたり摂取し、体内で分解しています。「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、タンパク質の摂取量は成人男性で75g前後、成人女性で65g前後です。

それとは別に、オートファジーによって自己の体タンパク質を1日あたり1〜2%分解し、そのうちの70〜80%はタンパク質の再合成に使っています。つまり、身体の中では毎日タンパク質を壊しては造り、代謝することで細胞の健康を保っているのです。

また、オートファジーを活性化することで脂肪酸分解を促進し、エネルギー源となるケトン体の産生を促すことも示唆されています。オートファジーが活性化すれば、さまざまな生活習慣病を抑制できると考えられるでしょう。

参考:令和元年国民健康・栄養調査報告|厚生労働省

免疫力を高める

オートファジーを活性化させることで、免疫力を高める効果が期待できます。

オートファジーは、細胞内の異常タンパク質が蓄積するのを防ぎ、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患を抑制します。

さらに、細胞内に発生した有害物質の除去や、細胞内に侵入した細菌の駆除なども行っています。オートファジーは自然免疫応答としても重要な役割を担っているため、感染症の発症や発がん、生活習慣病などを防いでくれるのです。

皮膚や毛髪の若々しさを保ちやすくする

オートファジーの活性化によって、若々しい肌を保つ効果が期待できます。

加齢に伴うオートファジーの低下は、皮膚の老化に関与していることが分かっています。つまり、オートファジーの活性化によって皮膚老化の予防・改善につながると考えられるでしょう。

また、海外の研究では、オートファジーが毛髪の成長に影響することを示唆しています。オートファジーの活性化によって、若々しい髪の毛を保ちやすくする効果が期待できそうです。

オートファジーを活性化させる方法

オートファジーを活性化させる方法として「16時間断食(ファスティング)」が有名ですが、実は、無理に長時間の断食をしなくてもオートファジーは活性化できるのです。生活習慣を見直して、オートファジーが活性化しやすい身体の土台をつくりましょう。

適度なカロリー制限

オートファジーを活性化させるために、適度なカロリー制限を行いましょう。

オートファジーは、飢餓状態で活性化することが分かっています。間食はできるだけ控え、食事はお腹が空いてから食べるように心がけてみてください。

オートファジーダイエットとして「16時間断食」が流行っていますが、16時間断食しないとオートファジーが働かないというエビデンスはありません。カロリー制限ダイエットとの比較を行った臨床試験においても体重減少の有意差は見られないため、つらい空腹を我慢してまで16時間断食にこだわらなくてもよいでしょう。

軽めの運動を習慣化する

適度な有酸素運動も、オートファジーの活性化に効果的です。

マウスをトレッドミルに乗せてランニングをさせた実験では、マウスのオートファジーが活性化したと報告されています。

逆に、過度な筋トレはオートファジーを抑制するmTORが活性化することが分かっているので要注意。オートファジーの活性化には、軽い体操や散歩などの適度な有酸素運動を習慣化することが効果的といえるでしょう。

睡眠の質を高くする

オートファジーは、眠っている間に活性化します。

オートファジーを活性化させるために、睡眠時間をしっかり確保しましょう。睡眠の質を上げるために、寝る直前に食事をしないこともポイントです。

早めの時間に夕食を食べて長く眠れば、眠っている時間は絶食していることになります。朝起きたときにお腹が空いていれば、オートファジーは活性化しているはずです。

オートファジーを活性化させる栄養を摂る

オートファジーは飢餓だけでなく、食品成分によって活性化することも分かっています。

▼オートファジーを活性化させる食品成分

  • ウロリチン
  • スペルミジン
  • レスベラトロール
  • アスタキサンチン
  • カテキン

ウロリチンは、ザクロに含まれるエラグ酸の腸内代謝物です。ただし腸内細菌叢の条件により、人によってはエラグ酸からウロリチンを作れない体質の人もいます。

ウロリチンを取り入れるなら、はじめからウロリチンの状態で体内に取り入れられるサプリメントがおすすめです。

また、納豆や味噌などの発酵食品に含まれるスペルミジンや、赤ワインに含まれるレスベラトロールもオートファジーを活性化させます。鮭やエビに含まれるアスタキサンチン、緑茶に含まれるカテキンも、オートファジーを活性化させる食品成分です。

オートファジーとは細胞の健康を保つ仕組み

オートファジーとは、細胞の健康を保つために自己を分解し、分解したパーツで新しい細胞を再構築する仕組みです。

分解する細胞はほぼランダムに選ばれていますが、有害物質の発生や細菌の侵入が生じた場合は選択的に攻撃します。オートファジーが働くことで、私達の細胞は健康が保たれ、感染症や病気を防いでいるのです。

オートファジーの働きはダイエットや美容にも活用できますが、根本的には細胞レベルから健康を保つ重要な働きです。長時間の断食をしなくても活性化されるので、適度なカロリー制限や軽い運動などを取り入れながら、健康と美容のためにオートファジーの活性化を目指してみてください。