高梨医院 
年齢を重ねるといつのまにか肌に現れ、老けた印象を加速させるシミ。
「シミができるのは仕方ない」と、諦めている方も多いのではないでしょうか？
そこで本記事では、シミの予防や改善効果が期待できる「ヒト幹細胞」について解説します。シミを予防したい方はもちろん、すでに濃くなってしまったシミを「ヒト幹細胞」によって改善する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ヒト幹細胞で期待できるシミ効果
エイジングケアに効果的な成分として注目されている「ヒト幹細」は、シミの予防や改善にも効果が期待できます。「ヒト幹細胞」で期待できるシミ効果について、詳しく見ていきましょう。
メラニンの蓄積を防いでシミをできにくくする
ヒト幹細胞は表皮のターンオーバーを整える効果が期待でき、メラニン色素の蓄積を防ぎます。
そもそもシミとは、紫外線によって生成されたメラニン色素が皮膚に蓄積し、色素沈着を起こしてしまうこと。
若く健康的な肌なら約28日周期でターンオーバーが起こるため、、メラニン色素が生成されても垢となって剥がれ落ちます。しかし加齢やストレスによってターンオーバーの周期が乱れると、生成されたメラニン色素が排出できずに色素沈着を起こしてしまうのです。
ヒト幹細胞は表皮のターンオーバーを整える効果が期待でき、メラニン色素の排出をサポートします。メラニン色素が沈着しにくくなるため、ヒト幹細胞培養液によってシミを予防する効果が期待できるでしょう。
メラニンが蓄積した細胞を修復してシミの改善を促す
ヒト幹細胞を用いたシミ治療では、真皮の幹細胞にアプローチし、すでに定着してしまったシミの改善を促す効果が期待できます。
体内に届けられたヒト幹細胞は、ダメージを受けた細胞を見つけて修復する性質があります。真皮層に幹細胞を注入することで、ヒト幹細胞はメラニン色素が蓄積した細胞を修復し、もとの若々しい状態に戻そうとするのです。
さらにヒト幹細胞による治療は、シミだけでなく、シワやハリの改善にも効果が期待できます。
ただし、一般的な化粧品成分が作用するのは表皮までなので、スキンケアだけでは真皮に定着したシミを消すことはできません。すでに濃くなってしまったシミを改善したいなら、医療機関でヒト幹細胞を用いた再生美容による治療を受けるのが効果的です。
肌の炎症を抑えてシミが濃くなるのを防ぐ
医療機関で取り扱っている「ヒト幹細胞培養上清液」を肌に取り入れることで、抗炎症作用によってシミが濃くなるのを防ぐ効果が期待できます。
シミはができる原因は、加齢やホルモンバランスの乱れだけではありません。ニキビや傷など、炎症をきっかけにメラニン色素が蓄積し、シミとして色素沈着してしまう場合があるのです（炎症後色素沈着）。
「ヒト幹細胞培養上清液」は抗炎症作用が期待できるため、炎症によるシミを防ぐ効果が期待できます。日頃から「ヒト幹細胞培養液」が配合された化粧品で表皮を整えながら、医療機関で「ヒト幹細胞培養上清液」を用いた治療を受けるのが効果的な方法です。
ヒト幹細胞でシミをケアする方法
ヒト幹細胞でシミを予防・改善する具体的な方法について解説します。シミを予防・改善したい方は、ご自身の肌の状況に合わせた適切な方法を試してみてください。
医療機関でヒト幹細胞を用いた治療を受ける
すでにできてしまったシミを改善したい場合は、医療機関でヒト幹細胞を用いた治療を受けるのが効果的です。
▼ヒト幹細胞を用いた治療法
- 幹細胞療法
- ヒト幹細胞培養上清液療法
幹細胞療法とは、自分自身の脂肪を採取して幹細胞を培養し、数週間後に培養された幹細胞を注射や点滴で身体に戻す治療法です。自分自身の細胞を使用しているためアレルギー反応が起こりにくく、身体に定着しやすいといったメリットがあります。
ヒト幹細胞培養上清液療法とは、幹細胞を培養して遠心分離させ、滅菌処理を行ったあとの上澄み液を注入する治療法です。上澄み液なので幹細胞は含まれませんが、生理活性物質の「サイトカイン」を多く含み、成長因子による細胞の修復を促します。
幹細胞療法は幹細胞が直接作用するため、より効果を実感しやすく、効果も長期間持続しやすい治療です。ただし治療費は数十万円〜1000万円以上となり、非常に高額になってしまいます。
ヒト幹細胞培養上清液療法は間接的な作用で、ゆるやかに効果が実感できますが、長持ちしません。しかし費用は数万円〜10万円前後なので、幹細胞療法よりは安く治療が受けられるというメリットもあります。
「ヒト幹細胞培養液」配合コスメを使用する
毎日のスキンケアで「ヒト幹細胞培養液」を配合した化粧品を使い、シミを予防しましょう。
「ヒト幹細胞培養液」とは、ヒト由来の幹細胞を培養したときにできる「培養液」です。ヒト幹細胞そのものは含まれませんが、多様な成長因子や美容成分を含み、毎日使うことで肌細胞のターンオーバー促進やエイジングケアに高い効果が期待できます。
医療機関で用いられるヒト幹細胞培養上清液は、ヒト幹細胞培養液の中から重要な成分を抽出し、より純度の高いものです。医療機関で受けられる治療のほうが効果を実感しやすい傾向にありますが、「ヒト幹細胞培養液」配合の化粧品の方が手頃で、気軽に使用できます。
幹細胞コスメを選ぶときに注意したいのは、植物由来の幹細胞を配合しているものもあるということ。
植物由来の幹細胞でも抗酸化作用や保湿作用による美容効果が期待できますが、「ヒト幹細胞培養液」が配合された化粧品よりは作用がゆるやかです。より効果的にシミを予防したいなら、やはり「ヒト幹細胞培養液」が配合されたコスメを選ぶとよいでしょう。
ヒト幹細胞で期待できるエイジングケア効果
ヒト幹細胞はシミだけでなく、さまざまなエイジングケア効果が期待できます。シワやたるみ、肌トラブルなどの年齢サインを感じ始めたら、ヒト幹細胞コスメの使用を検討してみてください。
シワやたるみなどの年齢サイン目立たなくする
「ヒト幹細胞培養液」配合のコスメを毎日使うことで、肌のハリが高まり、乾燥による小ジワを目立たなくする効果が期待できます。
さらに「ヒト幹細胞培養上清液」を用いた治療を取り入れることで、真皮層の線維芽細胞を活性化。コラーゲンやエラスチンなどの弾性線維を増やし、肌のたるみを改善する効果も期待できるでしょう。
肌を保湿してバリア機能を高める
「ヒト幹細胞培養液」が配合されたコスメを使うことで表皮のターンオーバーの周期が整い、角質層のバリア機能を高める効果が期待できます。
バリア機能とは、肌のうるおいを保ったり、外的刺激から守ったりする機能のこと。健康的な肌はターンオーバーによってバリア機能が維持されていますが、加齢やストレスなどの影響でターンオーバーの周期が乱れるとバリア機能が低下してしまうのです。
バリア機能が低下すると肌が乾燥し、敏感で刺激を受けやすい状態になってしまいます。バリア機能の低下を放置すると、乾燥による小ジワやくすみなどの年齢サインにつながります。
毎日のスキンケアで「ヒト幹細胞培養液」配合のコスメを使えば、ターンオーバーを正常に保ちやすくなるため、みずみずしい肌がキープできます。肌のカサつきやゴワつきに悩んでいる方はもちろん、ゆらぎやすい敏感肌のケアにも効果的です。
抗炎症作用により肌トラブルをケアする
幹細胞療法やヒト幹細胞培養上清液療法を用いることで、抗炎症作用による肌トラブルの軽減効果が期待できます。
炎症を抑えることで、コラーゲンやエラスチンなど弾性線維の強化につながり、肌の弾力性を高める効果も期待できるでしょう。点滴による治療なら幹細胞やヒト幹細胞培養上清液が全身に行き渡るため、全身の損傷部位をケアして症状の悪化を防ぐ効果も期待できます。
「ヒト幹細胞」の働きをサポートするシミ対策
シミをより効率よく予防・改善していくためには、スキンケアや生活習慣の改善を行うことがとても大切です。「ヒト幹細胞」だけに頼らず、日常生活からシミ対策を徹底していきましょう。
日焼け止めを欠かさず塗る
シミを予防するために最も重要なのは、紫外線対策を徹底すること。
日焼け止めは、年間を通して必ず使用してください。夏以外の季節や天気が悪い日、室内で過ごす日でも、必ず日焼け止めをつけて生活することがシミ対策の基本です。
真夏の日差しが強い日や炎天下なら、SPF50/PA++++の強い日焼け止めをつけるのが効果的。逆に日差しが弱い季節や天気が悪い日なら、SPF20〜30程度の日焼け止めや、UVカット機能のある化粧下地（ファンデーション）を使うだけでもOKです。
汗をかきやすい季節は日焼け止めが落ちてしまうので、できれば2〜3時間おきに日焼け止めを塗り直しましょう。こまめに日焼け止めを塗りなおす季節は、メイクの上から使用できるスプレータイプの日焼け止めを持ち歩くのが便利です。
角質ケアでターンオーバーをサポート
ターンオーバーの周期を保つためには、日頃から角質ケアを徹底するのが効果的です。
メラニン色素が生成されても、ターンオーバーによって排出されればシミとして定着しにくくなります。
角質ケアとして、まずは毎日のクレンジングや洗顔を丁寧に行いましょう。さらにスペシャルケアとして、拭き取り化粧水や美顔器などを使って表皮の垢を優しく除去するのも効果的です。
ただし、角質をゴシゴシと摩擦しすぎないように注意してください。摩擦による刺激はメラノサイトを活性化してシミやくすみにつながる可能性があるので、できるだけ肌に優しく触れるようにしましょう。
保湿ケアの徹底でシミを予防する
毎日のスキンケアでたっぷりと保湿して、バリア機能を高めておきましょう。
バリア機能が低下すると、紫外線による刺激を受けやすくなります。さらにターンオーバーの乱れにもつながり、メラニン色素が排出されずに色素沈着して、シミとして定着してしまう可能性があるのです。
「ヒト幹細胞培養液」配合のスキンケアに加えて、コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドなどの保湿成分が配合されたコスメを使ってみてください。化粧水や美容液を角質層まで浸透させたら、乳液やクリームなどを使ってしっかりとうるおいを閉じ込めるのがポイントです。
うるおいのあるツヤ肌は透明感が高まり、より明るく若々しい印象に導いてくれます。バリア機能が高まると肌トラブルも起こりにくくなるので、肌を若々しく保つためにも毎日たっぷりと保湿することを心がけましょう。
飲酒や喫煙習慣を見直す
シミ対策やエイジングケアのために、飲酒や喫煙は控えましょう。
過度な飲酒は、アルコール分解のために体内の水分とビタミンが消費されます。さらに活性酸素が増えやすくなり、シミやシワなどの年齢サインが増えてしまうので注意が必要です。
喫煙すると、ビタミンCが多く失われます。ビタミンCはメラニンの生成を抑えたり、ターンオーバーを整える働きがあるため、ビタミンCが失われることでシミができやすくなるのです。
シミ対策や美肌のためには、禁酒・禁煙するのがベスト。仕事などでどうしても飲酒を避けられないときは水をたくさん飲む、喫煙がやめられない方は食事や健康食品でビタミンCを補うなどの工夫をしてみてください。
生活習慣を改善する
シミ対策やエイジングケアの基本は、生活習慣の見直しです。
食事・運動・睡眠の習慣を見直して、健康的な生活を意識しましょう。
例えば食事なら、ビタミンを多く含む野菜や果物を積極的に食べるのが効果的。栄養価が偏りがちなジャンクフードや甘いもの、ジュースなどはできるだけ避けて、バランスのよい食事内容を心がけてみてください。
毎日の生活に、適度な運動を取り入れることも大切です。代謝アップや血行促進による美肌効果が期待でき、ストレスの軽減によってターンオーバーも整いやすくなります。ランニングやジムでの筋トレなど、キツい運動は必要ないので、軽い体操や散歩など気軽にできるものから始めてみてください。
最後に、良質な睡眠をしっかりとることを心がけましょう。睡眠中に分泌される成長ホルモンはターンオーバーを促進し、メラニン色素の排出や紫外線ダメージを受けた細胞の修復をサポートします。美肌のために十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高める工夫もしてみてください。
ヒト幹細胞はシミを予防・改善する効果が期待できる！
ヒト幹細胞には、ターンオーバーの促進作用や抗炎症作用があり、シミを予防・改善する効果が期待できます。
すでに濃くなってしまったシミを改善するためには、医療機関でヒト幹細胞を用いた治療を受けるのが効果的です。シミ予防や濃くなるのを防ぎたい方は、ヒト幹細胞培養液が配合されたコスメで毎日のスキンケアを続けましょう。
また、ヒト幹細胞のシミ効果だけに頼らず、毎日の生活習慣を見直すことも大切です。紫外線対策や角質ケア、食事・運動・睡眠の見直しなどを行い、スキンケアの徹底と健康的な生活習慣で明るい素肌を目指しましょう。